くだらない話がしたい

ギャハハ!!

放課後

コンビニ前

だらしなく

あいまいなカッコで
学校仲間と座り込み

コンビニで買った
ジュースやお菓子を食べながら

今日どこいく〜

あれ?先輩、バイクで来たよ!

この前、隣のクラスでさ・・・

おしゃべりは尽きることなく

どうでもいい話で
大盛り上がり

あれは

今から数十年前・・・

わたしにも

「女子高生」と呼ばれる
時期がありました

ええ、ありましたとも

わたしにも青春ってやつが(^^)

あの頃の女子高生は

本当にもうね〜

いまと全然ちがいますよ!

現代の若者は
洗練されてて

着てるお洋服も
言うことも
フランス感(?)があるというか

おっしゃれ〜ですよね

かたや

わたしが学生の頃は

“ギャル”というのが
全盛期で

真っ黒に焼いた肌と

白いメッシュの入った髪の毛

ハワイみたいな服を着て

学校鞄には
インスタントカメラが
当時のマストアイテム

ところかまわず

イェ〜い!
はい、チーズ!

パシャパシャって

やってたわけですよ

ゲーセンに設置された
プリクラも大人気で

放課後といえば

まずはプリクラ!!

プリクラ命!

そんな時代でしたね〜

なつかすぃ

今、人生の半ば近くを過ぎ

「どんな話をしたことが印象に残ってるかな?」と

自身の記憶を振り返ってみると・・・

思い出すのは

いつも

こんなくだらない
風景なんですよね、笑

ホントになんでもない 

当時仲が良かった人たちとの

日常のきれはし

そんなのばっか
頭に浮かんできて

もっとなんか・・・

その
コンビニ前の
おしゃべり〜とかじゃなくて

もっと学術的で
重大なお話とか

大学の先生の
高尚な講義内容などなど

ほかにもっと

覚えとくべき

だいじなことがあるだろーっ!って

感じなんですけど

そーゆう

ダラダラと

なんの目的もなく

ヒマすぎて
いつまでもずっと
くっちゃべってた時の

なんてことない時間ばかり
覚えてるんですよねぇ

そんでもって

学生が
空いてる時間に集まって

話しすることって

とんでもなく
くだらないわけですよ

ここでは書けないほど
バカバカしいもの…笑

その

無目的で生産性のない話で

ギャハハ!と

笑い転げてる風景ばかりなんですよねー・・・

人生振り返って思い出すことというのが

まぁ、箸が転がってもオカシイ年頃って
あるじゃないですか?(^ ^)

大人になってみると
あの楽しさって
けっこう貴重なものですよね

いつもの溜まり場に

待ち合わせするわけでもなく

いつの間にか誰かがいて

学生だから

自由に使えるお金が

たくさんあるわけじゃないけど

ぐだぐだ恋バナとか

ちょーどうでもいい
ギャグの掛け合いだけ
ずっとかましてる時間

学生当時は、そんな景色が
永遠に続くような気がしてたけども・・・

そうそう

あとね

ときどき思い出すのが

荒れた海の風景と

友達と私

2人きりの浜辺

学生の頃

ボディーボードにハマっていて

毎週末

仲間たちと一緒に

大きなボディーボードを背負って

海通いをしていた
時期があったんですね

ボディーボードって
ご存知ですか?

大きいビート板みたいのに
身体ごとのせて波に乗るやつです

その当時

サーフィンが流行したんですけど

女子はボディーボードやる人が
多かったんですね

そんで

ある週末

いつものように

みんなで海行こうゼって
言ってたんですけど

ちょうど台風が来ていて

海は荒れてるとの情報

みんなは

海の調子が悪そうだから

行かないって言い出す中で

ある友人と

わたしだけは

「行く」って言ったんです

それで

いつもは7人くらいで
ゾロゾロ行ってたんですが

その時だけは

わたしとその子ふたりきりで

海へ出向くことにしました

その日の海は
確かに波が高くシケ気味で

空は一面のグレー色

今にも雨が降りそうでした

いや、すでに降ってたかな?

いつもは

たくさんのサーファーたちで
賑わってる浜辺も

ぜんぜん人がいなくて

海の中も

そんな嵐の日でも練習してる
ストイックなサーファーさんが

ポツンポツンと

少しだけ

浮かんでるくらいでした

ひとしきり

ボディーボードに乗って
荒ぶる海を乗りこなす、という
過酷な戯れ(?)をした後

ちょっと休憩しようってことで

その友達と2人で
浜辺に腰を下ろしました

人がぜんぜんいなくてね・・・

心なしか
遠くまで続く砂浜も
灰色がかって重そうに見えて

空模様も
砂浜と同じく
どんより、どんより

なんなら

ちょっと冷えてきて

くちびる紫な2人が

「さみー」とか言いながら

ブルブル体を震わせて
浜辺に座ってるわけですよ

いや、フツーに

そんな日に海入らんでいいだろ…って

ツッコまれそうな感じで

周りには誰もいないし

シュールすぎ、笑

じっとしてると寒かったので

2人で浜辺に落書きをして

遊びました

でもなんか

風はどんどん強くなってきて

めっちゃ寒いし

海は荒れてるし

人はいないし

わたしらここで
何やってんだろうって

だんだんおかしくなってきて

その浜辺に描いたラクガキを
寝そべって指差しながら

ゲラゲラ笑ってた記憶がありますね…

なんの絵を描いたのかは

もう忘れてしまいましたが

たぶん

なんか

めちゃくちゃ品のない
くだらないものです、笑

でも

その風景は

映画みたいに
なんだか記憶に残ってて

昔のことをふと思い返すとき

なんとなく浮かんできますね
そのときのことが

よっぽどバカバカしかったんでしょうね、笑

今になって思えば

そんな日に海行くなよ・・・

あぶないし・・・

自分なんなん?って

ツッコまずにはいられません

当時は学生だったので

毎週末

みんなで海に行く時は
いつも電車でした

早朝5時とかに起きて

でっかいサーフボードや
ボディーボードを
亀みたいに背負い

コンビニで買った
おにぎり片手に

ダラダラ鈍行列車でいくのが

今思えば贅沢な時間でしたねぇ

帰りは

いつもお世話になってた

海の家のおじさんが

軽トラックの荷台に

わたしたちをのせて

駅まで送ってくれました

海でいっぱい体を動かした後

トラックの荷台から

さっきまで自分が浸かってた
海の水平線を眺めつつ

みんなで

わー!きゃー!言いながら

頬いっぱいに
風を受けて

トラックの荷台に
ゴロンと寝転ぶ

仰向けになった目線の先には

青い空と流れる雲が
かがやいていて

本当に楽しかったですね

学生時代の
授業中のことを思い返してみても

心に残ってるのは

先生が

授業のちょっとした隙間に
話してくれた小話とか

テキトーな雑談や猥談

そんなことしか

記憶に残ってません
(すみません、先生)

「あのな…
そーいえば、先生が子供の頃な・・・」

こんなふうに

先生が授業から脱線して

与太話を始めると

なぜかわたしの目は爛々として

集中力がみなぎって(笑)

そんな時だけ
先生のお話をよく聞きました(コラ)

学校の先生や

予備校の先生たちが

脱線してくだらない話をしてくれる時

それはたいてい

ちょーおもろいんですね

偉大な芸術や

純文学作品

知的好奇心が掻き立てられる
書物やアートとはまた別の

くだらない話が持っている

広大な豊かさは

いったい、なんなんでしょうね・・・

この地球で生きている

一人一人に

膨大な数のストーリーが
詰まっていて

それは

ほんのささいな

窓を開けた時の
金木犀の香りのような

さりげないもの

だけど

人間みんなに宿る

個人的な出来事というのは

何よりも人の心を動かし

また

何よりも

人の心の
幽閉された領域

その奥深くまで
入り込むものなのかもしれません

AIやインターネット化が進む現代は

いろいろなものが
より合理化されていきます

つまり

無駄なものが

どんどん排除されていき

整えられた

百科事典みたいな世界が
実現していくでしょう

そんな中で

人間が持つ

くだらなさを愛でる領域

生産性まったくなし!

目的なし!

無意味の極み!

どうでもいい話を
ぐだぐだやっていた

あの一昔前の青春の面影は

これからの時代

逆に高度な意味を持ち
人々の中で煌めきだすのかもしれません

【 完 】